紀元前800年頃、古代ギリシャのホメロス作とされる抒情詩「イリアス」に記されたトロイは、架空の古代都市ではなく史実――と信じたドイツ人シュリーマンによって1871-73年に発掘されたのが、世界遺産にも指定されているトロイ遺跡。
「イリアス」に登場するトロイ戦争にて、ギリシャ軍がトロイ軍を欺くために巨大な木馬の中に隠れ、木馬ごとトロイに潜入することに成功し、トロイが陥落したのだという。この伝説に由来して付けられたのが、コンピューターウイルスの「トロイの木馬」。
遺跡では時代区分から九つの市が見付かっている。第二市では、トロイ最後の王の財宝が発掘されている。繁栄ぶりを示す大理石が敷き詰められた道。
第九市にある聖域。右上の台は生贄儀式の祭壇。
紀元前85年から西暦500年、第九市に建てられた円形劇場。
第四市の南門の残骸。塀の向こうは白いテントで保護されている第二市付近。
「トロイの木馬」は遺跡の象徴として3-40年前に復元されたもの。ギリシャ神話に登場するイダ山の松の木を使うなど伝説通りに復元され、中に入ることも可能。階段はかなり急で狭い。胴体部分と背中に乗っている小屋の二階構造で、上階は五人も入れば窮屈。
上階の窓から見下ろすと、地面に描かれた木馬がお目見え。