約130年前に発見される迄、何百年間もジャングルに埋もれたままになっていたアンコール遺跡。成長した溶樹(ガジュマル)が建築物の隙間に入り込み、現在も静かに破壊が進んでいる。特にタ・プロームの木々は建物の一部のように根付いてしまっているため、本格的に修復するのは難しいという。
600×1,000メートルの広い敷地では、約5,000人の僧侶と615人の踊り子が住んでいた僧院跡、細かい彫刻が施された壁面も見所。タ・プロームとは「梵天の古老」を意味し、隣のバンテアイ・クデイとは逆で、仏教寺院からヒンドゥー寺院に改宗された。
ところで、タ・プロームではやたらと警察官に行き遭った。遺跡の警備にしては物々しいと思ったら、何と日本の超VIP様がこの遺跡を御見学中。カンボジア王国からの招待で、空港にたなびいていた日の丸はそういうことだったらしい。
拡大。
カメラを構える殿下、右横には妃殿下。無遠慮にカメラを向ける私達に、付添人が「撮らないで」とか、壁の浮き彫りの前に行こうとしたオヤジには「殿下が写真を撮っていますので、ちょっと待って下さい」と言って来た。それを聞いた殿下は「別に構いませんよ。人が居た方が、感じが出ますから」と大変恐縮したように仰った。うおー偉ぶってなくてええ人じゃのうー、と感激している傍から、堂々と壁の前に立ちはだかり写真を撮り始めたオヤジ共……
そんな彼等を冷めた目で見ている間に、殿下のカメラが私の方を向いた――気がする。私の頭上、中央祠堂の入口には溶樹が絡み付いていて、それを収めるためには地面から=入口に突っ立っていた私ごと撮らなくてはならない。邪魔なのは私もでしたか!? あああ、すいません orz
殿下退出。妃殿下が先に出た時、私達に手を振って下さった!
右は、警備員に「大変だねー」的な声を掛けているガイドのサムナンさん。
門の外に警察車両。
(補足。当時の感想です)