「おばあちゃんの原宿」というキャッチフレーズで年配者が集うという巣鴨(すがも)。その中心である巣鴨地蔵通商店街は塩大福や漬物、還暦を祝う赤いパンツなど、オバチャンが喜びそうなグッズで溢れている。
高岩寺(こうがんじ)は延命地蔵尊、通称「とげぬき地蔵」を本尊とする寺院。地蔵は非公開のため見ることは出来ないが、患部に貼ると病が治るという御札に御利益があるとか。
聖観世音菩薩像もまた「洗い観音」として知られ、自分の身体で病んでいる箇所に応じて、観音像のその部分に水を掛けたり拭いたりすると御利益があるという。幸い特に病んでもいないが、とりあえず行列に並んで順番を待つ。
しかし、前方にいたマダムのお参りが異常に長い。大抵の人は掬った水を一気に掛け、自分が掛けた水を拭き取る程度。十数秒か数十秒で所作を終える。そのマダムは一掬いした水を頭から肩、胴体、足先まで少しずつ掛け、身体全体を掃除するように拭いていた。優雅な手つきというか、推し量れば願いを込めて丁寧に、といったところだろうか。彼女が三分以上はそうしている間に何人もが参拝を終え、マダムが拭き取っているのを無に返すように、皆が容赦なく水をじゃばじゃば掛けていた。どう見ても、わざと。オバチャン達、怖っ! ((((;゚Д゚)))