舞台は、ドニの町の酒場。
あらくれ 「むう……。くそっ もういっぺんだ! もう一度ポーカーで勝負しろ!」
ククール 「こっちは構わないが 賭け金はまだあるのかい?」
あらくれ 「若ぇのバカにすんなよ。有り金のこらず賭けてやる。さあっ勝負だ!!」
ククール 「ははっ 確かに。じゃあ ゲームを続けよう」
あらくれの子分 「これで1000ゴールドの負けか。ギャンブルの帝王と呼ばれた兄貴らしくもない。……どうもくさいぜ」
子分その2 「おれたちは このあたりじゃちっと名の知れた乱暴者よ。ケガしたくなかったら あっちへ行ってな」
あらくれ 「むう……。今日は調子が悪いぜ」
ククールに話しかけるとムービーが始まる。
ククール 「……おっと。今は真剣勝負の最中でね。あとにしてくれないか?」
あらくれを見て、不敵な笑みを浮かべるククール。
あらくれ 「真剣勝負だとお~!? おいっ! このクサレ僧侶! てめえ イカサマやりやがったな!」
ヤンガスが止めに入る。ククールは椅子に座ったまま、余裕のポーズで赤ワインを飲んでいる。
ヤンガス 「まあまあ あんたも そう興奮すんなよ。負けて悔しいのはわかるけどよ」
あらくれ 「なんだとぉ!? ……そうかわかったぞ」
ヤンガスが、あらくれにぶっとばされる。
あらくれ 「てめぇら こいつの仲間だな!!」
椅子に座ったまま、目をぱちくりさせているククール。
ヤンガス 「いいかげんにしやがれ! 妙な言いがかりをつけるとタダじゃおかねえ……」
と、つかみ合いになっている二人に、ゼシカがバケツの水をぶっかける。ククールはひゅ~っと口笛を吹く。
ゼシカ 「いい加減にして! 頭を冷やしなさいよ。この単細胞!」
子分 「兄貴に何しやがる!?」
ここで、立ち上がるククール。レイピアを抜こうとしたところ、目の前であらくれにテーブルが飛ぶが、それを避ける。
子分その2 「女だからって承知しねえぞ!?」
ヤンガス 「女ひとりに二人がかりとは格好が悪いんじゃあねえのかい?」
野次馬の喝采を浴び、親指を立てて応えるヤンガス。
あらくれ 「うるせぇ! よくも子分たちをやってくれたな!!」
エイトが壁際で呆然と見ている中、ヤンガスとあらくれの取っ組み合い、物の投げあいの大喧嘩が始まる。トロデ王が、行け行け~という感じで楽しげに見ている。ゼシカの手にはメラ。しかしその前にククールが、エイトとゼシカを酒場の裏口から外へ連れ出す。
外に出てから、ゼシカはククールに掴まれていた腕を振りほどく。ククールは肩を竦める。
それから、ククールはまずエイトに向かって、
ククール 「あんたら 何なんだ? ここらへんじゃ見かけない顔だが……。ま いいや。とりあえずイカサマがバレずに済んだ。いちおう礼を言っとくか」
と言い、握手を求める。
ククール 「あんまり いいカモだったから ついやりすぎちまった」
懐からカードがぱらぱらと落ちてくる。
酒場からは、グラス等が割れる音がする。ククールはエイトの肩に手をかけ、
ククール 「おっと。グズグズしてたら あいつらに見つかっちまう」
そして振り返り、改めてゼシカを見る。下から見上げて……しばらく見つめている様子。
ゼシカ 「……何か?」
ククール 「オレのせいでケガをさせてないか心配でね。大丈夫かい?」
ゼシカ 「あいにく平気よ。じろじろ見ないでくれる?」
ククールは右手袋を口でくわえて外し、
ククール 「助けてもらったお礼と 今日の出会いの記念に。オレの名前はククール。マイエラ修道院に住んでる」
ゼシカの手を取り聖堂騎士団の指輪を握らせるが、ゼシカはあからさまに嫌な顔をして、ククールの手をふりほどく。
ククール 「その指輪を見せれば オレに会える。……会いに来てくれるよな? じゃ また。マイエラ修道院の ククールだ。忘れないでくれよ!」
と言い残して、ククールは走り去る。
ほどなくして、喧嘩に勝利したヤンガスがエイト達を探しに来る。
ヤンガス 「おぉ~い! 兄貴! ここにいたんでげすか!? ずいぶん探しましたでがす。あいつらこてんぱんにとっちめてやりましたでがす。へへへっ」
ゼシカは指輪をエイトに預け、
ゼシカ 「いーい? エイト! そんな指輪 受け取っちゃダメ。マイエラ修道院まで行って あのケーハク男に叩き返してやるんだから!」
fin.
memo
死亡者がいる場合でもムービーには全員登場し、終了後は半蘇生する。