タマン・アユン寺院は、バリ島で二番目に大きなヒンズー寺院。(2012年に「バリ州の文化的景観 : トリヒタカラナの精神を象徴するスバックの水利システム」として世界文化遺産登録)
長い長い参道を歩いて来たところで、この寺院は宗教面において厳しい。生理中の女性、子供を産んだばかりの親とその子、身内に不幸があった人などは、塔門から先には進めない。
サトウキビの黒い茎で葺いた塔(メル)が10基。奉られる神によって高さが違い、最も高い塔で11層ある。信者は内側に入れるが、観光客は外側の回廊から眺めるのみ。
インドネシア全体でのイスラム教徒は九割を占めるが、バリ島ではヒンズー教が優位。ジャワ島での担当係員のことをBに訊かれたのでAさんの名前を告げると、「ああ、熱心なイスラム教の人ね」と宗教が先に出て来るあたり、信仰に関しては根が深い。更に、Aさんが相当年上であるような話ぶりだったので、「けど、Bさんって48歳なんでしょ。Aさんとあまり変わらないんじゃない?」と私が言うと、Bのヤツ、「あ、最初の日に教えた歳、実は違います。本当は僕、31歳」。コイツ、やっぱり嘘つきだった。