イスタンブールからは一度の休憩を挟み、約四時間でゲリボルに到着。国土のうち数パーセントのヨーロッパ大陸側にある港町で、ここからアジア大陸側に渡る。乗船予定のカーフェリーが既に泊まっている。
港前の広場に面したオープンテラスのある奥の店で昼食。
しかし、ツアー単位で席も料理も準備されている筈なのに、料理がなかなか出て来ない。トルコで最もメジャーなエフェスビールが減りまくり。
料理が出て来る気配が無いので、外を撮りに行く。広場にあった像は、初代大統領ケマル・アタテュルク氏? 街の名士?
胡麻をまぶしたリング型パン「スィミット」は屋台売りでも良く見掛ける。
ピスタチオのワゴン売り。
民家二階の雨樋に雁首揃えて並ぶ猫たち。
五分程で戻り、更に待ってからやっと出て来た舞茸のスープ。日本人に優しい味。
メインは焼き鯖。付け合せはポテト、米、スィガラボレイというチーズの春巻き。運ばれて来たのは、入店から35分後。フェリーが出航するまで残り15分で、やっとデザートまで辿り着いた。乗船場まで目と鼻の先とはいえ、ぎりぎり過ぎる。
デザートはケマル・パシャという、カステラのようなスポンジ生地をシロップにどっぷり浸したもの。パシャは将軍を意味し、ケマル・パシャはトルコ共和国初代大統領ケマル・アタテュルクの呼び名でもある。つまり、大変有難いお菓子と言える。トルコのお菓子は全般的に激甘と各種ガイドブックやエッセイなどで記述されており、心の準備をして食したのだが――表面のてらてら感と皿に付着した砂糖のざらざらに慄き、残している人が多数。
最初に出遭ったデザートがこんな感じだったので、以後は皆が皆、どんなデザートでも警戒してフォークで突付き、「食べれる」「食べれない」の議論を交わしてから口に運ぶようになってしまった。