第239首 その嘘でここまで来た

ちはやふる ちはやふる_高3 漫画
漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録。あらすじの記述あり。ネタばれあり注意。

新はソースかつ丼を完食。近江神宮の境内から試合会場まで、太一と走る。

じいちゃんの強さを借りて 名人戦の怖さから逃げようとした

新は太一に、試合に勝って欲しいというメールは本心なのかと問う。

「負けたやつの戯れ言だよ あんなの おれもう なんにもできないから 新に押し付けたんだ 忘れていーよ」

そう言って、太一は新の背中を玄関へと押し出す。

周防さんを長崎に帰したい 千早の夢が叶うのを一番近くで見たい なんにも叶わない 近江神宮はもう おれの行くところじゃない でも 見たかったんだ

会場から立ち去ろうとする太一を、坪口が引き留める。


新は遅れて会場内に入る。

かるたをやめたくなるような強さがあるなら かるたを続けたくなるような強さだってあるはずだ

新は若宮から預かった襷を返すが、彼女は落ち着いた様子。新は千早の襷も本人に返そうとするが、千早は「新が持ってて」と首を振る。千早の顔色が悪い。新は千早の意思を汲み、千早の肩を軽く一叩きし、千早の襷を身に着ける。


千早が並べる札に「ちは」がある。それに見入り、千早は気付く。

経験者はこの札を「ちは」としか呼ばない

小学生の時、新はその札が「ちはや」と見えると教えてくれたが。

嘘… かるたを好きになって欲しかった 新の嘘 その嘘でここまで来た この札は「ちはや」だ 私だ

小学生の千早が、自身に語り掛ける。

クイーン戦? クイーン戦に出てるの? ほんとに? すごい すごいね

五試合目の大盤係は大江。千早の表情が少し緩む。


試合開始直前、千早は若宮の足の状態について、無理せず声を掛けようと提案。

「けしからんって言われそうなこと でも変わった方がいいこと 勇気だしてやっちゃおうね これから先…… 未来のためにさ」

若宮が応える。

「私クイーンやさかい 恥ずかしいことできしまへん 未来のためって言うんやったら 女子が文句のつけようのあらへん強さで5試合戦い切るのが一番や そうやろう?」

ちはやふる
ちはやふる

memo

五試合目開始直前。小学生新が「ちはや」札と発言したのには、その後で二字決まりと知り、ずっと違和感があった。連載初期だから間違えたのかな、くらいにしか思っていなかったが、設定の一つだったらしい。そんな優しい嘘と、ついに畳に並んだちは札に、どんな説明が描かれることになるのだろう。

千早は耳の感度が良過ぎて、調子が悪いままのようだ。新は襷を持っているコマに「ズキン」と文字が描かれているが、やはり指を痛めているのか。挑戦者側二人のコンディションが悪い。名人周防は通常営業に見える。詩暢もクイーンらしく悠然たる態度。

畳に並んだ札について、千早側が「ちはやぶる」、その上に「あきのたの」が描かれ、大山札が多いとの解説付き。詩暢側でクローズアップされているのが「めぐりあいて」と「せをはやみ」で、「さびしさに」「あらざらん」もおまけ程度に描かれている。

posted on March 11, 2022
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