第220首 挑戦者の覚悟が足りない

ちはやふる ちはやふる_高3 漫画
漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録。あらすじの記述あり。ネタばれあり注意。

第一試合が終わっても、千早は最後の札について考えていた。

もっとはっきり もっと明確に主張するべきだった
挑戦者の覚悟が足りない

若宮は何食わぬ顔で札を箱に収めて立ち去るが、自分の取りで正しかったのかと疑問に思っていた。

なんで審判に判断を委ねた? セイム言われて 自陣の取りになる可能性が高いと思うたんやないか?
クイーンの誇りはどこいった

背後に歌人の気配を感じ、箱を落としてしまう。

瀬を早み 違背に割かるる

千早は未だ畳の上で一人反省。

最初の1枚 「め」が取れなかったのがすべてだ 敵陣左下段をとことん狙うと決めていたのに 固くなった…… 手が…体が動くまでに時間がかかった ここが浦安の間だから ずっとあこがれてた場所だから――

名人戦で新が勢いよく札を取り、千早が目を見張る。次の札で周防が空振り、新が自陣から綺麗に払い、四枚差で試合終了。

引き上げる新が千早に気付く。しかし、千早は顔を背ける。新の背中を見送りながら、また考える。

新 すごい すごいなぁ イメージできるんだ あそこでどう振る舞うべきかが 目指す強さが見えてるんだ

富士の高嶺へ進む若宮と新の姿に、千早は手を伸ばすが……


千早父が到着。キャリーバッグを取り違えた件について、荷物の一方からダディベアが見えたので、千早の荷物と思い込んだと言う。千歳のために千早が手作りした、ダディベアの安全お守りだった。

選手控室に千歳がいた。千早の方に届いていた荷物から枕を取り出し、千歳は爆睡中。千早には分かる。千歳は枕が変わると寝られない。キャリーバッグを届けるため、寝ないで来てくれたのだと。

千早も並んで即寝。千早を被写体として追っている賀正は、それも撮り続けている。

「私…… ドキュメンタリーが好きなんです 被写体に選ばれるのはいつも『逃げなかった人』で でも密着してると録れるんです 『逃げなかった人』のまわりに必ずいる 助けて支えた人たちが」

周防家二人が会場に到着。部屋から出て来た周防を見つけるが、周防は気付かず行ってしまう。一戦目に負けたことや悪評など、周囲の会話が耳に入る。

若宮、新は、それぞれの控室で昼食。新父が指摘する。新の茶の飲み方や言葉は、新祖父の真似だと。


千早が目覚める。自前の着物も届き、大江に着付け、宮内先生に襷を締めて貰い、二試合目へ。

ちはやふる
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memo

第一試合終了後の休憩時間。千歳は所謂ツンデレ。ここに来るまでの夜行バスやタクシー車内で寝ていたのには触れないでおこうか。確かに仮眠程度なのだろうが。キャリーバッグの中身が判明した第215首から第216首にて、ダディのお守りが入っている部分はちょうどコマの外の位置となり描かれていない。

新について、試合前参拝時の第217首では千早が、試合中の第219首では栗山先生が、新と新祖父の顔を重ね合わせていた。一日の始まりから、新は新祖父を意識して振る舞っている?

登場した札は、詩暢に背後に襲い掛かる「せをはやみ」、千早の振り返った一枚目の「めぐりあいて」、名人戦で読まれた「こころあてに」「いまはただ」。

posted on December 1, 2019
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