数ヵ月後。トロデーン城の兵士控室の机に座り、本を閉じるエイト。頬杖をつく。
ヤンガス 「兄貴ー!」
部屋の入り口で手を振り、歩み寄って来るヤンガス。
ヤンガス 「へへっ ひさしぶりでがす。最後の戦い以来でがすなぁ。そうそう聞いたでがすよ。なんでも近衛隊長になったとか! 今の兄貴は光って見えますよ。そんな兄貴の初仕事をアッシが手伝えるなんて 弟分として光栄でがす。今回の兄貴の仕事は馬姫さまを……あっ いけね! もう馬じゃねーんだ。ミーティア姫さまを 結婚式がおこなわれるサヴェッラ大聖堂まで護衛してゆくんでがすよね。けど意外でがすよ。あんなことがあったのに まだチャゴス王子との婚約がいきてたとは。そうそう。ここに来る途中 大臣に言づてを頼まれたでがすよ。出発の用意はととのったから 部屋にいるミーティア姫を兄貴が連れてきてくれって。そいじゃ アッシは城の中庭で待ってるでがすよ。」
ヤンガスが部屋から出て行く。
(ムービーは通常画面に切り替わり、部屋にいる同僚兵士と話すことが出来る。部屋から出て、少し歩くとムービー再開)
廊下にククールがいる。壁に踊り子を押し付けて口説いている様子。更に、その横にバニーガール。エイトに気が付き、ククールが近寄って来る。
ククール 「よお エイト。あれ以来だな。連絡をもらったから さっそく参上したぜ。姫様の護衛をするんだってな。ヤンガスとはさっきここですれ違ったけど 相変わらずだったなぁ。お前の仕事のつきそいってのは面倒くさいけど こんな時でもなきゃ みんなの顔が見られないものな。ところでお前 この結婚に納得してんのかね。もしイヤだったら やめちまえばいいのによ。聖堂騎士団を抜けて 自由になったオレみたいにさ。」
バニーガールがククールに駆け寄り、腕に掴まる。
バニー 「ねえ ククールゥ。この人でしょ? エイトさんて。紹介してぇ 紹介してぇ。」
ククール 「あとでな。エイトは ほら まだまだ仕事があんだよ。」
再び、エイトの方を見て言う。
ククール 「んじゃ エイト。オレは中庭でヒマをつぶしてる。用がすんだら来てくれ。」
去って行くククール。エイトに軽く手を振り、その後を追う女達。
(ムービーは再び通常画面に切り替わり、城内にいる人々と話すことが出来る。三階への階段を上がり、姫の部屋がある方向へ進むと、ムービー再開)
廊下の向こうから、ゼシカが現れる。
ゼシカ 「あっ エイト! ひさしぶりっ! 元気だった?」
そう言って、エイトの方に駆け寄る。
ゼシカ 「聞くまでもなく元気そうね。エイトったら ちっともリーザス村へ遊びに来てくれないんだもん。あの後ね どこかでひとりで暮らそうと思ったんだけど お母さんが心配で 結局リーザス村へ戻ったの。兄さんの墓のこともあるし……それにあそこにいれば みんなと連絡がとりやすいと思ってね。え? ミーティア姫を連れに来たの? そう。もう出発なのね。それじゃ 私は先に中庭にいってるからね!」
ゼシカが去って行く。
(ムービーが通常画面に切り替わる。まだ話をしていない人や、中庭で待っている仲間達とも会話しておく最後のチャンス。以下はその一部)
ククール 「トロデのオッサンは ひとあし先に大聖堂にいっちまったんだってな。しっかし あのオッサンはよ 爆笑だったな。だって呪いが解けても 前と姿が変わんないんだもんな。」
バニー 「んふ。あなたがエイトさんね。ククールの次に強いんですってね。ククールに聞いたわ。」
踊り子 「あたいも一緒にいくからよろしくね。ククールのいくとこなら どこだってついてくって決めたんだからさ。」
ゼシカ 「短い間だけど またこの顔ぶれで旅ができるなんてうれしいわ。でも何よ? ククールと一緒のあのチャラチャラした女たちは! 私 仲良くできそうにないわ。」
(姫の部屋へ入ると、ムービー再開)
ミーティア姫はピアノを弾いている。
ミーティア 「ここでこうしてピアノをひくのも最後になるわね。サザンピークにもピアノがあるのかしら……。エイト 来てくれたのね。もう出発の時間かしら?」
- (ここで「はい / いいえ」を選ぶ。
- (「いいえ」を選ぶと)
ミーティア 「そう……。じゃあ もうしばらくこうしていましょう。」
という台詞が挟まれ、通常画面に戻って、再び城内を散歩出来る。再び話し掛けると、
ミーティア 「ごめんなさい。なんだか落ちつかなくって。もう出発の時間かしら?」
という台詞になり、以降「いいえ」の場合はまた同じ。 - (「はい」を選ぶ、または「いいえ」の後で「はい」を選び直すと以下に進む)
ミーティア 「あなたに来てくれるように大臣に頼んだのは 出発前にあなたと城を歩きたかったからなの。少し早いけど エイトにもきちんとお別れを言わなくてはね。今まで尽くしてくれてありがとう。トロデーンで過ごした日々は ミーティアにとって一生の宝です。サザンピークへ嫁ぐことで ミーティアも王族としての義務を果たします。だから あなたも……。この先もどうかお父様につかえ トロデーンのために今までどおり尽くしてください。……。ではいきましょうか。あまり 皆を待たせては悪いものね。」
エイトはミーティア姫を連れて、部屋を出る。エイトの後を黙って付いて行く姫。城内二階ホールで立ち止まり、一階ホール見下ろす。エイトが顔を覗き込んで促すと、また歩き始める。外へ出て、二階の入り口テラスで再び立ち止まる。エイトの顔を見てから階段を降り、馬車へ。