インドでは占いが盛んで、有名な占い師は毎日ホテルを数軒ずつ忙しく巡回しているらしい。中でも良く当たるとされる占い師が、滞在先のクラークス・シラズに来訪中。料金は500ルピー(約1,800円)と高額な上、予約が必要な程に競争率も激しいと言うが、私達六人全員が見て貰えることになった。
年老いた男性占い師とのやり取りは片言の英語で、現地語が時折混じるのをシンさんが日本語に訳す形で進んだ。生年月日を聞かれた後、横から鼻や口の凹凸を見て、次に手相、掌、親指がどのくらい反り返るかを弄り、指の長さ、薬指に対しての小指の長さを特に入念にチェック。
それから紙に線を引いて↑このようなマス目を作り、1から12までの数字を好きな位置に当て嵌めろと言われ、私は単純に上のマス目から反時計回りに入れてみた。これで恋愛運、仕事運、健康運の何が分かると言うのだろう。占って貰いながら言うのも何だが、私は元々占いは信じない主義だし、「話の種になればいい」程度の余興気分であった。
更に、そのマス目に惑星の名前を当て嵌めて行く。しかし、太陽 Sun、火星 Mars、金星 Vinus、地球 Earth、月 Moon……あれ、Jupiter は木星で良かったっけ、天王星って英語で何というんだっけ(正解はUranus)と混乱し始め、占い師も「水金地火木……」と惑星名を一つずつ順番に言ってくれれば良いのにばらばらだし、終いには指定された惑星が何であったかを忘れてしまい、うんうん唸って九つ入れたところで「もう結構」と言われてしまった。
とまあ、「当て嵌め問題」に関しては適当だったのに、占い結果は何気に当たっていたような――健康運の「75歳まで生きる」だけは、まだ先のことなので判らないが。尚、仲間の一人はもっと凄くて、○歳に遭った出来事を具体的に言い当てられてしまったとか。もう一人は「○歳に結婚する」と言われたが、その年齢は過ぎていたので外れ確定(最初に生まれ年を言ってあるのに)。他の三人もそれぞれに納得が行く結果だったらしいので、占い師さん、五勝一敗?
最後にラッキーストーンを教えてくれるのがインド流。私はイエロー・サファイアだった。別に買わされるわけではないが、身近な宝石でも好みでもないから、ラッキーと言われても困る。
食事は朝も夜もビュッフェ方式。似たようなラインナップでカレーしか選びようがないし、高級ホテルだけれど全体的に口に合わなかった。
パンが一番マシだった。美味しい、じゃなくてマシ。