陶磁器で有名なマイセン。東洋から伝わった白磁の製造をヨーロッパで最初に成功させ、約25km離れたドレスデンに磁器工場を造り、機密を守るためにこのマイセンにあるアルブレヒト城に工場を移したのが始まり。そこから町外れに移転させたマイセン磁器工場が、観光客向けに公開されている。
その後、毎日バスに大きな荷物を持ち込んで来る人がいて邪魔だなあと思っていたら、ここで購入したマイセン焼きの人形が入っていたことが旅行終盤になって判明。
続いてバスは、ドイツ有数の都市ドレスデンへ。かつてはザクセン王国の首都として栄えた、第二次世界大戦で全てが破壊されながらも「芸術と文化の都」として復興が進む。
アルベルティーヌム。美術館と博物館が入っている館。
ブリュールのテラスと名付けられたエルベ川沿いの舗道は、ゲーテが「ヨーロッパのバルコニー」と言い、好んで散歩したとか。元は16世紀に造られた要塞跡で、18世紀にブリュール伯爵が庭園を作らせたことに由来する。その景観が素晴らしいという評価で「ドレスデンのエルベ川流域(エルベ渓谷)」として2004年に世界文化遺産にも指定されていたが、新しく架かった橋が問題となり2006年には危機遺産登録、2009年にはついに世界遺産の登録から抹消されてしまった。
ゼンパーオーパー。ワーグナーの「タンホイザー」などが初演されたオペラ座。
建築に6118日もかけたのに、僅か一夜にして戦火で崩壊したフラウエン教会(聖母教会)は、暫く廃墟のままで放置された後の1993年に再建が始まったが、元の五分の一、高さ20メートルまで足場が組まれている程度だった。傍に掲げられた完成予定図は、絵に描いた餅のよう。スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア並みに、完成まで200年はかかるとも言われ、何とも気が遠くなりそうな話だなあと眺めながら立ち去った。
しかし、この「ヨーロッパ最大のパズル」はその後、予想よりも随分早い2005年10月に完成したらしい。びっくり。