かるたの聖地、近江神宮に到着。まずは、必勝祈願の参拝。
「ダメですよ 真ん中歩いちゃ 正中といって参道の中央は 神様の専用通路です」
大江に続き、宮内先生も拝礼について指導。
「型とか形式とか面倒だと思うかもしれませんが 神様が心が広いとは限りません 願い事は礼儀正しく差し出しなさい」
皆それぞれ祈る。
神様 奇跡はいりません みんなにアクシデントが起こりませんように みんなの練習どおりが出せますように
拝礼する千早の頭がズキンとした。
新 やっと近江神宮に来たよ 私の夢はまだ あのときのままだよ
小学生の時に新が言ったこと……
じゃあ 綾瀬はクイーンやの
正面からセーラー服の女生徒が歩いて来る。近付くにつれ、ズキズキする千早の頭……
袴で試合に挑むため、大江母が着付けの手伝いに来てくれた。他校の情報を確認するが、福井の高校のメンバー、翌日の個人戦エントリーに、新の名前はない。残念そうにしている千早の様子を、太一は見ていた。
強豪校とエース須藤を破って来たことで、千早達は周囲からの視線に晒される。千早は札を並べるにも、焦点が合わない。頭が痛み始めた。
試合が始まる。皆浮ついて、一枚目を取り逃した。太一が鼓舞すると「オウッ」と返って来た。が、千早の声だけが聞こえてこない上、様子がおかしい。千早は顔を上げることも出来ない。
暑い 袴が暑いよ 人が多すぎる 音がうるさい 暑い 違う 寒い 寒い…… 神様どうして お願いしたのに
一方、会場の最寄り駅に降り立つ新の姿が。
memo
近江神宮で参拝。セーラー服の女生徒こそが現クイーン若宮詩暢で、これが初登場。妖気が漂い、千早はこれにあてられたかのよう。そして、新が登場。新の回想にあった「綾瀬はクイーンやの」に違和感があったので見返したら、第1首該当場面では「綾瀬さん」だね。
眩暈を起こしかけている千早が手にしていたのは「わびぬれば」。読み札として「あけぬれば」「たきのおとは」が登場。