千早母が太一母の存在に気付く。大江母が太一母に、スマホに取り溜めた画像を見せる。袴姿で生き生きとする太一の数々の画像を見て、太一母は寂しそう。
「瑞沢かるた部は袴がユニフォームなんですね そんなことも知りませんでした…… 本当に… 太一はなぜ かるた部を辞めたんでしょう…?」
二試合目は冨原西高校戦。田丸は苦戦。やっと札を取れたところで、西田と駒野から励ましの声が飛ぶ。勝つために調子に乗せたいだけ、信じてくれているわけではない、と考える。千早が田丸の背中に手を伸ばした。
「息をして 大丈夫 息をして」
千早は「いい1年入ったよ」と啖呵切っていたが。
綾瀬先輩はきっと 嘘のつけない人だ 西田先輩だって 駒野先輩だって
田丸も自分が一番自身を信じていないと気付いている。
観戦席の部員は、千早が相手と実力差があるのに、枚数に差がついていないことを心配。しかし、千早の作戦だ。
丁寧に 勝ち急がない 大差勝ちに意味はない そばで 戦い続ける だってきっと 太一ならそうする
必死に戦う選手を、太一母は切ない思いで見ている。
「ずっと かるた部の子たちって冴えないなぁって思ってましたけど かっこいいじゃないですか なぜあの中に 太一がいないんでしょう」
一位がキープできなかったら部を辞めること、とは言ったが従うとは思っていなかったのだ。ただ、洗濯物のTシャツやジャージから、太一がかるたを辞めていないのも見抜いている。
「母親をごまかせると思ってるのかしら」
太一母は瑞沢が三勝したのを見届け、大江母に太一に着物を貸してくれていた礼を言い、帰って行った。決勝リーグは北央が二勝、瑞沢と朋鳴が一勝一敗。
memo
東京都予選、決勝リーグ二試合目。千早母は娘が休部していたことに気付いてなさそうだったが、一緒に活動していた筈の太一が辞めたのはもっと知らないだろうし、そこに驚きはないのだろうか。あと、太一画像満載の利恵子コレクションは全公開すべき! 読まれた札は「あらしふく」「たまのおよ」「たれをかも」など。人目を忍ぶ恋の歌である「たまのおよ」は、これで三話連続の登場となる。