他の試合はどこも競い合っている。駒野は分析。
綾瀬が強くて一人で先に勝つなんて昔からのことだ その強さを孤立させないようにしてたんだ 真島は 自分自身の強さと声かけで…
西田も、駒野と同じように考える。
真島がいないんなら だれがやる? おれだろ
上手い取りを見せた田丸に、駒野が「ナイス!」「連取いけるよ!」と声を掛ける。しかし、先に「このくらいの褒め言葉、嘘でも言える」と言ってあるので逆効果。田丸は動揺して、次の得意札を取り逃す。千早も懸命に仲間に声掛けするが。
届かない 早く勝つ そういう強さが大事だと思ってた でも 届かない
西田、田丸、筑波が次々敗戦。駒野が最後に勝ったものの、瑞沢の一試合目は二勝三敗。
千早が部屋から出て行く。観客席が噂をする。全国優勝はまぐれ、ポッと出の高校は選手層が薄い、Tシャツの子だけ強かった、など。無言で立ち尽くす部員達に、波田が水を持って来る。それを奪って飲み始めたのは、袴に着替え終えた千早。千早は皆を集め、力強く宣言する。
「みんな 一緒に部を作ってくれた真島太一は かるた部を辞めたけど 私はいつか戻ってくると思ってる 何年後か 何十年後か それまでに私はクイーンになる そして それまでに瑞沢を 北央学園みたいな かるた強豪校にする」
千早の号令は続く。
「まずは 全国大会団体戦連覇! 個人戦1年も2年も3年も各階級優勝」
二試合目に向かう瑞沢チーム。その様子を見て、太一宛にメールを送るヒョロ。
東京予選決勝リーグ、瑞沢一敗。来いよ。 木梨
そして、会場内を覗き、肩を落とす太一母の姿が……
memo
決勝リーグ、一試合目終了。読まれたのは「よもすがら」「たまのおよ」「さびしさに」「すみのえの」「かくとだに」「おおけなく」「あわじしま」。
第28巻終了。ハイビスカスの花言葉は「繊細な美」「新しい恋」で、更に黄色いハイビスカスだと「上品な美しさ」らしい。袖の歌は第144首より「世の中は」。巻末四コマ漫画は、田丸の眼鏡、藤岡東と掛け声、新と翔二。
表紙裏面の絵で、新が「わたのはら・や」、千早が「ちはやぶる」、太一が「たちわかれ」の札を持っている。