創部したばかりらしきチームが敗退して泣いている。北央の太田が馬鹿にするのを、千早憤慨。思い出すのは、太一と畳を運び入れた日、創部の苦労。他チームの会話が聞こえて来る。瑞沢は創部一年目で全国に出て 二年目で全国優勝で、でも創部時点で経験者が何人もいたから、と。
坪口と持田先生が話している。
「強さは絶望にもなるけど 夢にもなるから それにふさわしい存在であることが 勝者の責任――」
若宮はアルバイトの面接へ。門限があるので働けるのは夕方4時から6時まで、かるたの大会があるので土日は基本無理、という希望に面接担当者も困惑。履歴書の特記事項「かるたのクイーン」も通じない。こんな調子なので不採用続き。
かるたの大会で 賞金とか出たらええのにな そしたらもっと 人気も出んのに…
高校選手権東京大会、決勝リーグ。予選リーグに倣いTシャツで来た千早だが、皆は袴姿。慌てて母親に持って来てくれるよう電話する。そこに、須藤と甘糟登場。チームワークがガタガタ、嚙み合ってない、と嘲笑され、千早が反論。
「噛み合ってなくても 今年もうちは強いよ いい1年はいったよ」
須藤は千早と田丸に目を向ける。
「へえ 真島の抜けた穴が埋まるくらい? あいつの穴なんてたいしたもんじゃなかった?」
急に口が利けなくなる千早。西田が須藤から引き離す。
一試合目から千早は飛ばす。その目つきは若宮のようだ。見ている者をも圧倒する。
休んだぶん 爆発してる でも みんな慌てるな 綾瀬千早はマークしない
対戦相手の顧問、坪口の方針だ。千早に当てたのはC級選手。千早は23枚差で早々に勝利。
なんでだろう どんなに強くても なんとなく千早ちゃんはいま瑞沢のエースじゃない
千早は声を掛け続けるが、皆は苦戦。並び順が中央で、一人Tシャツ姿というのがまた、皆から浮いている。須藤も観察。
からかい半分だったのに 5人並ぶともう 無視できねぇな 『真島の抜けた穴』
memo
東京都予選、日を改めての決勝リーグ。ドS須藤にはあまり虐められたくないのだが、登場すると何だか嬉しい。けど、須藤さんてマメに北央を応援しに来るよね。登場する札は、詩暢練習中に「わがいおは」「みちのくの」「せをはやみ」「よをこめて」「かくとだに」「わびぬれば」「ほととぎす」「あきかぜに」「このたびは」「おおことの」「むらさめの」「たまのおよ」。試合描写では千早が勝利した後に「ひとはいさ」「あまつかぜ」。