ヒョロが太一が辞めたことを確認し、根性ねえやつだ、と怒って立ち去る。千早は太一と共に戦った思い出がフラッシュバック。追い打ちを掛けるように、大江の鞭。千早をオーダーに入れることは考えていないと言う。大江が皆に檄を飛ばしている。大江と駒野が何となく良いムード。
かるた部の雰囲気が 変わった… 知らない間に 離れてる間に 私のしらないかるた部に……
参加校が増えたため、千早の知らない新ルールで試合が進んで行く。読手は一気の早読み、空札なし、暗記時間なし、払い手なし、押さえ手のみ……などなど。どの学校も急には対応出来ず、準備して臨んでいる。
田丸が勝利し、鼻高々。そこに昔の田丸を知る、北央の太田が声を掛けて来た。
「へー なんか 田丸らしいよな そこそこ強くて 選手層の薄い高校狙うの へー レギュラー? よかったじゃん 認めてもらえて」
瑞沢チームは予選突破ぎりぎりの戦績。花野が千早を入れようと提案するが、西田が「田丸はちゃんと勝ってるし」と名前を出すと、田丸がまた図に乗り出した。
「でも 私 なんか調子悪いんですよ~~ なんか音がとらえにくいっていうか 試合数も多いし 午後自信ない 迷惑かけちゃわないか 心配で」
原がそんなことないよと励ます。でもー、んーでもー、先輩たちのほうがー、と答える田丸に、原は都度否定してあげるが、橋立が口を開いた。
「正直言って 疲れる 田丸ぅ 原さん優しいから付き合ってくれるけど そう言うように誘導されたセリフ言わされるのって めっちゃ疲れる」
試合に出られず手の空いている千早は、運営側で馴染みの先生方の手伝い。田丸が来たので「がんばって」とかるたセットを手渡すが、田丸は乱暴に奪い取って行く。
田丸は太田との対戦。太田は春の大会でA級になり、かるた会の仲間が祝ってくれたと言う。田丸が所属していた会の師匠は厳しく、褒めてくれなかった。兄は田丸と同じ性格で、褒めてくれない。誰も褒めてくれないので、自分でそう仕向けるしかなかった。そうしているうち、自分の前から仲間が一人減り、二人減り、ついに一人ぼっち。
うまくいかないのがわかってても 褒められたいと思う欲が止められない 強くなれば 褒めてもらえるの? B級になれば A級になれば 1年生でエースになれば
取りでもめた。セイムならば太田の札なのに食い下がり、「ホント褒めるとこねーな」と嫌味まで言われる。
瑞沢の予選突破が苦しくなって来た。田丸は言い訳する。
「ああ やっぱり 私 今日調子悪い…… 綾瀬先輩いるし 無理することないのかも 先輩よろしくお願いしますーーー」
千早に敵対心剥き出しだった田丸本人がそう言い出したので、これを機にと千早に期待する下級生部員達。千早も試合に出れることになるのは嬉しい。千早は「いいの? 私…」と控え目に言いつつ、不気味に笑う。
一度出たら 二度と降りないけど
そんな千早の思考が透けて見え、威圧感におののく部員達。しかし、西田が止めた。
「いや 最終戦も 田丸でいく!」
memo
東京都予選。登場した札は一試合目で「あらざらん」「たちわかれ」「いまこんと」。二試合目で「たちわかれ」「おおけなく」。現在の話の展開でもある「たちわかれ」が二度も出て来た。また、千早がかるたセットの「41」に見入っているが、歌番号だと 「こいすちょう」に当たる。そして、可愛らしい表情が一転、「二度と降りないけど」のホラー顔w