藤岡東も準決勝に勝ち進むが、中途半端な掛け声など気合が空回りで、チームは未熟と噂される。団体戦の難しさに、新は頭を抱える。
富士崎は桜沢先生結婚のことで動揺が収まらない中、桜沢は檄を飛ばす。
「特別なことは言いません 自信を持ちなさい 自分を信じて 瑞沢に借りを返してきなさい」
西田姉もヒョロのために北央Tシャツを着て、観戦に訪れている。北央応援席の須藤に招かれ、横断幕を広げての応援。
宮内先生は鉢巻を作って来る。一人一人の名前が刺繍で入ったものだ。部員達はそれぞれ心中で思う。着物で出たかった、レギュラーになりたかった、チームのためにもっと強くなりたかった。千早の心中は……
太一に ここにいてほしかった
瑞沢と富士崎の戦いは、千早が日向、西田が理音など、対戦者の実力が拮抗。北央と藤岡東では、ヒョロと新が対戦することになった。新は嬉しそうにヒョロに頭を下げる。
「だ…… 団体戦やるって決めてよかった…… ヒョロくん よろしくお願いします……」
ヒョロはB級なので、普通の大会では対戦がない。新は「そんな意味でない」と即座に否定。
わかってる ガキのころから始めて ずっとかるたを続けてるやつなんて多くない 続けてるだけで もうダチだ だからってそんな顔すんなよ そんな顔すんなよ 勝つために ズルい手使って おまえと当たってんだよ
ヒョロは得意のヒョロットカードで占って、自ら新と対戦するのを選んだのだ。他メンバーが勝てるように。
試合前の暗記時間。それぞれの準備も整い、試合開始。
勝つ 勝たせる 勝つために なんでもする
memo
試合前に皆がオーダーを相談したり、願っていたことを考えたりしている最中、「準決勝まで進んだよ。」とメールを送る千早。描かれていない宛先の答えは次巻第161首。その流れからの「ここにいてほしかった」だが、連想するのは第8巻第45首でクリスマスに机くんが言った「ここにいたらいいのに、って思う人は もう家族なんだって」だなあ。