試合が始まった。大江と花野は応援席。
試合数こなしてくると より感じる 富士崎の選手の身体の強さ 体幹の確かさ 強豪校を目指してる段階の私たちと すでに強豪である高校の 強い足腰
筑波の息がもう上がっているのが、花野は気になる。連戦で、僅差負けが多いせいか。
そういえば 去年はちがった 負けるときは 束負けだった
大江も心配しつつ見守っている。
去年 千早ちゃんと真島部長が富士崎の合宿に参加して練習方法を知ることができたけど 全部真似しても富士崎は超えられない
瑞沢では、駒野の提案で「感想戦」を取り入れるようになっていた。
まえ 真島も言ってたんだけど 僕も小さいころ将棋してたから思うんだ かるたやる人って感想戦しないよなーって ぼくらはちゃんと反省できてるだろうか?
筑波は「あ」札でお手付きが多い。「あ」の次の半音で飛び出せ、とは原田先生の教え。1.5音で聴いて、2音で加速する。筑波はその聞き分け訓練の成果を発揮。
感想戦をしてていちばんわかるのは 相手のことじゃなく 自分のことだ 自分のクセ 考え方 迷い方 臆病さ 努力不足からくるズルさ――
弟達に見栄を張っている暇もない。
本物になりたい
駒野と西田から、田丸に声が掛かる。田丸はそこまで余裕が無いが、初めて声出ししてみた。部員一同びっくり。
だれかを疑うなら 自分を信じられないなら かけ声を自分に がんばれ がんばれ
敵味方、誰もが必死で取り続けている。
なりたい なりたい 本物になりたい
memo
準決勝、富士崎戦。筑波の成長物語の巻。読まれたのは「ゆうされば」「いにしえの」「ゆらのとを」「おとにきく」「なつのよは」「よをこめて」「たちわかれ」「あまつかぜ」「あしびきの」「すみのえの」「あけぬれば」。
第30巻終了。表紙に描かれているのは正月飾りみたいなものだろうか。植物はマンリョウでいいのかな。花言葉は「寿ぎ」「陰徳」「徳のある人」。袖で紹介されている「滝の音は」はこの巻には登場しないが、前巻に続いて太一を詠うような内容。巻末四コマ漫画は、戦ってみたいキャラ第一位は最弱なおおつ光ルくん。