千早は咄嗟に飛び出し、太一に訴える。
「だ だめ 太一 だめ そんなのはしちゃいけない賭けだよ」
しかし、千早を見る太一より先に、須藤が反応。
「うっせえ 綾瀬 どうせ攪乱するための作戦だろ ふざけんな 乗んねえよ」
立ち去る須藤、真っ直ぐ前を向いたままの太一、安堵する千早、驚いた表情で見ている原田先生、厳しい表情の坪口。
西日本予選。新は由宇から重箱弁当を貰っていた。上段には豚カツなどのめちゃかつセット。下段には「You can」ということで羊羹がみっちり。弁当を前に頭を抱えていると、騒めきが伝わって来た。村尾が小石川に負けたのだった。
桜沢先生は滑らかな動きと技で、千早の速さに対抗。前年は同世代の猪熊が頑張ってくれた。大山札を連取し、「す」も浚う。S音は桜沢も得意なのだ。
そうね 若い子をキッチリ挫折させる―― そういう気持ちもありね
原田の視界に、太一の対戦相手、顔面蒼白の江室。先日白波会に来た新を思い浮べる。
君たちは 自分たちが主役の物語を生きていると思ってるだろう? ちがうよ 輝いてる君たちでさえも だれかの物語の一部分(パーツ)だ 一部分(いちぶぶん)だ どんなにかけがえがなくても
電車の遅延に巻き込まれていた花野や筑波など瑞沢部員達が応援に到着。建物外では太一母も試合を観戦していた。
memo
二回戦、それぞれの戦い。主役という言葉は第179首で田丸兄も使っている。彼は負けた。自分が自分が、の人は負ける法則なのだろうか。千早は他人の技を知ろうと未だ貪欲さを見せている。太一は「翻弄しに来た」ので脇役側。桜沢、原田、ユーミンなど、自分が他人に手本を示したいという考えは危ういのかも。
ヒョロの回想も登場するが、「真島は綾瀬がそばにいないほうが~」は第17巻第93首。千早が止めに入った時に太一は千早を見ているが、その後は何処に視線を向けているのか、何を思ったのかは読み取れない。そして、第14巻第76首の前年全国大会決勝戦にて、一度対戦しただけの年上をエロム呼びw
試合で読まれていたのは「わびぬれば」「つきみれば」「あしびきの」「つくばねの」「はるのよの」「みかきもり」「もろともに」「あさぼらけ・う」「きみがため・お」「すみのえの」「あまのはら」。