第181首 先に負けたほうが競技かるたを辞める

ちはやふる ちはやふる_高3 漫画
漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録。あらすじの記述あり。ネタばれあり注意。

須藤と練習した日々を思い返す千早。若宮と丸被りの技だけでは戦えないので、戻り手を教えて貰う。千早からは、須藤に速さの特訓。対戦中、千早の目に「ひさかたの」が浮いて見えた。そのことを須藤に話すと、激しく馬鹿にされるかと思いきや、須藤は肯定してくれたのだった。

「渡会永世クイーンは当たり札が『光って見えた』とか いいな それが綾瀬の”聴こえる”なんだろうな」

速水がお手つきをして、千早の逆転勝ちで終わった。気を失いかけたところで、速水が絆創膏を差し出して来た。理音が千早の足に気付き、集中出来なかった理由かと問うが。

「足のせいじゃない 私のせい… 集中って 途中から上げようとしたら こんなに疲れる こんなんじゃ 最後まで勝ち切れない」

速水は泣きながら、元クイーン山本に気持ちを吐き出す。

「あのとき バンソーコーあげればよかった あのときまちがった 書道では一回でもまちがったらもうダメです」

山本はその場で容赦なく駄目出し。北野先生に「もう一度来たい」と頭を下げた時のことを思い出し、速水に言った。

「またここに来たい? 来れるよ 書道だって何枚も何枚も書くでしょう? もっといろいろ指導できるよ私 翠北会に入ってくれれば」

二回戦、千早は桜沢先生との対戦。「生徒気分になっちゃいそうで」などと原田先生に話している時、太一を見つけて結果を訊ねるが、太一は「集中したい」と素っ気なく背中を向ける。太一は田丸兄に12枚差で勝利していた。原田先生が話し始める。

「そういえば この間 メガネ君が府中に練習しに来たよ」

その言葉に、千早も、そして太一も振り向いた。新は「白波会のかるたに負けんかるたを取りたい」と言ったという。

「生意気なんだよ メガネ君 そう言って本陣に乗り込んでくる あの子もまだ生徒気分だ」

千早と太一は揃って驚きの表情でいたが、太一は逃げるように立ち去る。


試合前、千早の後方で、須藤が太一に言う。

「原田先生がせっかく話しかけてるのに 意識しすぎなんじゃねぇ あ そっか おまえ もう東大かるた会なんだっけ」

須藤に口撃されても、太一は落ち着き払っている。

「なに 言ってんですか 白波会ですよ おれ 白波会だったら 原田先生と広史さんに当たらないですむし メリットでかいです」

太一の方を見やる千早、坪口、原田。須藤は太一を軽くどつく。

「おい 真島 それはおれと当たるほうがマシってことか」

田丸兄は顔面蒼白で、妹に零す。

「真島太一って おまえの先輩か? 大丈夫か? …… 周防名人と試合をした人は かるたをやりたくなくなるって知ってるか? なんかそういう――… あいつからもそういう感じがする」

薄ら笑いの太一が、須藤に提案。

「須藤さん またしましょうよ 賭け こういうのどうですか? ”先に負けたほうが 競技かるたを辞める”」

 太一を見詰める須藤。弾かれたように驚く原田、坪口、西田、千早――

ちはやふる
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memo

一回戦が終わり、二回戦が始まる前まで。全国大会後の第32巻第165首で「同じ決意を返すから」と独白していたホワイト太一とはすっかり別人で、死神のような言われよう。第18巻第98首の武村も名人戦後は半年取れなかったと言っており、新が南雲会に入った当時の村尾も同様だったし、田丸兄もそうなるのか……合掌。須藤は過去の所業で自分の首を絞めた。

新はせっかく府中まで来たのに、返事保留中の千早はともかく、太一にはお友達としてメールくらいしようよ。会う会わないは別として。相変わらず行動が不自然。周防との繋がりを知ったのが影響しているのか、やはり恋愛面で警戒対象なのか。第12巻第68首で新自身が「試合のときしか二人に会えん運命なんかな」と言った通りにしてしまっている。また、生徒気分では駄目という考え方について、前年の原田対新の挑戦者戦、第22巻第116首で千早は新に「原田先生はどこまでいっても『先生』なんだよ 新のままじゃ勝てない」と忠告している。その時の新は祖父に成り代わって乗り切った(とはいえ負けた)が、忘れてしまった?

posted on May 28, 2017
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