第206首 勝つ自信あります

ちはやふる ちはやふる_高3 漫画
漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録。あらすじの記述あり。ネタばれあり注意。

新の勝利を喜ぶ南雲陣営、太一の健闘を涙しつつ称える彼の応援者達。しかし、顔を覆って泣いていた千早は、歯を食いしばっており――

大江が、続いて新が、そして他の皆も窓の外に気付き、一斉に見る。周防が真っ直ぐ新に指をさし、立ち去って行った。戸惑う面々。千早は太一に目を移す。

帰り道の周防は、厳しい表情。第三試合の前に会った太一を思い浮べていた。

あの礼はきっと ”ありがとう”と”さよなら”だ ”ありがとう” ”さよなら” ありがとう さよなら だけど――

太一は新に声を掛ける。

「新 周防さんは強ぇーーぞ でも 取りにいけよ 日本一」

太一は観客席にいる千早にも声を掛ける。

「千早 千早は 世界一な」

その晴れやかな顔に、目を見張る千早。


表彰式後、各会代表者会議が開かれた。若宮は千早と共に、クイーン戦の五番勝負を前倒しで来年から実施するよう訴える。幹事達はクイーン戦の経験がまだない千早の意見を求める。

千早は若宮に勝つためにやって来たが、若宮に五番勝負を提示された時、彼女が荒野に一人でいるように感じていた。

「五番勝負にしてもらえたら 若宮さんに勝つ自信あります」

千早は幹事達に頭を下げる。

太一と新のように 周防さんと太一のように 力の限りぶつかることでしか 助けられない

そんな千早を睨み付ける若宮だが、千早と並んで頭を下げる。


福井の自宅で寝込んでいる新母は、夜なのに仏間の電気が点き、仏壇の前に座る新を見る。が、幻覚らしい。由宇が訪ねて来て、新母に届いていたメールを一緒に見る。新が由宇が作った弁当を食べている様子を映した動画であった。新が新父に促され、由宇に向けてのメッセージを語り始める。

「あ―― うん― …… 2試合目落としてもうた 情けないわ 太一が強かった でも―― 由宇の弁当 先に食っとけば負けんかった じいちゃんの介護 一緒にしてくれた由宇の弁当は じいちゃん担げるくらいのカロリーはいっとんのや バランス変でも ありがとうな 由宇」

そこまでは顔を背けていた新が、正面を向く。

「3試合目は 全部出して勝ってくるからな」

由宇は涙を浮かべる。メールはその動画のみで、肝心の試合結果報告は無かったが、新母は幻覚の意味から悟った。

「――もう バカやなあ 新 心だけ先に帰して 勝った報告 じいちゃんにだけして ずるいわ ほんま」

新は帰宅の車中、眠っている。

ちはやふる
ちはやふる

memo

挑戦者決定戦終了後の千早決意編。千早は「周防さんと太一」の繋がりをどこまで掴んでいるのだろう。しかし、ついに本気になったらしき周防が楽しみである。太一が千早に向けて言った「世界一」は、第10首より。名人になっても世界一なのに、何故差をつけたw 動画を見終わった後の由宇と共に、紅葉が描かれている。新も罪なことをする……

表紙の太一と新が抱き合っている場面の背景に描かれているのは、「これやこの(しるも~)」「「はなさそう(ふりゆくものは~)」「このたびは(もみちの~)」「なつのよは(くものいつこに~)」「いまこんと(ありあけの~)」「はるすぎて(~あまのかくやま)」「わすらるる(ひとのいのちを~)」「はるのよの(かひなくたたむ~)」など。なかなか意味深な歌揃え。 

太一の高校三年次のかるたは恐らくこれで終了。参戦数が少ないが、纏めておく。


名人位・クイーン位挑戦者決定東日本予選大会

  • 一回戦 埼玉さくら会 田丸剛 12枚差
  • 二回戦 富士崎? 江室凌雅 7枚差
  • 三回戦 北央 瀬田百太
  • 準決勝 東大かるた会 須藤暁人 3枚差
  • 決勝 白波会 原田秀雄 4枚差 東日本代表決定

名人位・クイーン位挑戦者決定戦

  • 一試合目 綿谷新 ●3枚差
  • 二試合目 綿谷新 1枚差
  • 三試合目 綿谷新 ●18枚差 一勝二敗で敗退
posted on October 13, 2018
-

related entries