世界各地の様子が流れた後、場面は聖地ゴルドに移る。神殿跡に出来た大穴に落ちかけたマルチェロを、ククールが間一髪で助ける。
マルチェロ 「……なん……の……つもり……だ……? 放……せ……!! 貴様等が……邪魔を……しな……ければ 暗黒神のチカラ……我が手に……できたのだ……。だが……望みは……ついえた……。すべ……て 終わった……のだ……。さあ……! 放せ……!! 貴様……なぞに……助けられて……たまる……か……!」
マルチェロはククールの手を払い、自ら穴に落ちようとする。その手を再び掴むククール。
ククール 「……死なせないさ。虫ケラみたいに嫌ってた弟に情けをかけられ あんたはみじめに生き延びるんだ。好き放題やって そのまま死のうなんて許さない。」
そして、穴からマルチェロを引き上げる。マルチェロは地面を叩きつけ、ククールを睨む。
マルチェロ 「このうえ……生き恥をさらせ……だと? 貴様……!!」
ククールは立ち上がって言う。
ククール 「……。……10年以上 前だよな。身寄りがなくなったオレが 初めて修道院に来た あの日。最初にまともに話したのが あんただった。家族も家もなくなって ひとりっきりで……修道院にも誰も知り合いがいなくて……。最初に会ったあんたは でも 優しかったんだ。はじめの あの時だけ。」
俯いて、話し続ける。
ククール 「オレが誰か知ってからは 手のひらを返すように冷たくなったけど それでも……。」
再び顔を上げ、遠くを見やる。
ククール 「……それでも オレは。忘れたことはなかったよ。」
マルチェロも立ち上がり、傷付いた身体を抑えながら歩き始める。そして、ククールの背後を通り、すれ違い様に、
マルチェロ 「……いつか……私を 助けた…こと…… 後悔…するぞ……。」
と言う。
ククール 「……好きにすればいいさ。また なにかしでかす気なら 何度だって止めてやる。」
マルチェロ 「……。」
マルチェロは再び歩き続けるが途中で立ち止まり、苦々し気な表情で騎士団長の指輪を外し、ククールに投げる。
ククール 「これ……あんたの聖堂騎士団の指輪か……?」
マルチェロ 「貴様にくれてやる。……もう 私には無縁のものだ。」
傷を抑えながら、再び歩き始めるマルチェロ。立ち尽くしているククールに、ゼシカが駆け寄る。
ゼシカ 「……ねえ ククール。放っといていいの? あんなひどいケガしてるのに。ねえってば!」
ククール 「……。」
ククールは指輪を握り締め、マルチェロが聖地ゴルドから出て行くのを無言で見送る。
fin.
memo
ククール死亡時でもムービーは発生するが、その後に蘇生はしない。