福井県あわら市。新はアルバイト先の書店のパソコンを借り、メールチェックする。家のパソコンの調子が悪くて放置していたため、千早からの大量のメールが溜まっていた。そして、千早がリアルタイムで戦っていることを知る。
決勝戦は、大江と駒野が負けて瑞沢二敗。太一は記憶力を駆使し、決まり手の変化で抑えるべき札、空札を把握した上で、全ての残り札に対して細かい作戦を立てている。
おれは 千早みたいに”感じ”がいいわけでも 西田みたいに流れを読めるわけでもない
ヒョロがお手つきをした。太一は空札と分かっていた。
決まり字の変化だけは間違えない おれがみんなの背骨になるんだ ミスなんか 一枚だってしてやるか
太一は8枚差でヒョロに勝利。これで瑞沢一勝。
千早の対戦相手、須藤は一息入れるため立ち上がる。残りは6枚で、3-3。
こんな接戦になるなんて どんだけ攻めてもこっちのペースになりきれない ここで ここで自陣取られたくない
須藤は自陣を守ろうとして、敵陣にあった札への反応が遅れる。持田先生が声を上げてしまう。マナー違反。でも、持田が切羽詰まったような顔で自分を見ている……
うまくいくときもいかないときも かるたの楽しさを教えてくれたのは先生だ
西田が甘糟に勝ち、瑞沢二勝。須藤は追い詰められる。
持田先生を みんなを 全国大会に連れて行きたい 勝ちたい 勝ちたい
千早は札の方だけを無表情で見ている。千早が須藤側にある「ちは」札を取った。「ちぎりき」もまだ残っていたのに。
ここまで来て どうやったら あんなかるたが取れる? もう「勝ちたい」とも 思ってない目で
千早の勝利で、瑞沢の三勝二敗。優勝が決まり、全国大会へ進めることになった。例の如く倒れ込む千早を抱きかかえる太一に、抱き着く仲間達。千早はすぐに覚醒し、皆が喜ぶ顔を見る。
新 見て 新
新の元に、千早から画像付きのメールが届いた。
見て新 これがわたしの仲間だよ 近江神宮に会いに来て! ◇千早◇
memo
引き続き、予選決勝戦。文字だらけのコマでぶつぶつ言う太一は、後に出て来る新の「超加速」に対抗して、「超暗記」と表現したい。しかし、太一さんは千早を思いっきり正面からぎゅうっと抱きかかえてるのに、千早が即座に「新」ってのは最早様式美。
読まれたのは「なげきつつ」「なにわえの」「なげけとて」「ちはやぶる」。