全国高等学校小倉百人一首かるた選手権全国大会、開幕。瑞沢チームは暑さ対策も万全に、袴ではなくTシャツで参戦。オーダーは西田、大江、千早、太一、そして筑波。駒野は強豪校の偵察に回り、決勝トーナメントに備えると言う。予選には出ない。
机くんだって がんばってきたのに…… 私なら言えるかな 努力して 努力して努力して それでもあとから来た人に追いつかれたとき 机くんのように言えるかな
千早は黙って駒野の背中を見送る。太一は前日のうちに駒野と話し合っていた。
綾瀬の夢が本当に日本一なら 闇雲に戦うんじゃなくフォローする人間が必要だ
気合を入れている皆を見ている太一のところに、ヒョロが来る。
「よう まつげくん そんな気合入れて大丈夫か? A級昇級のかかった明日の個人戦のほうが大事なんじゃないかー?」
太一はヒョロには目もくれず、前を見据えている。
「明日 一回戦で負けたって 今日 全試合勝つ」
ヒョロは何も返せない。太一は心中で思う。
勝ちたい 勝ちたい みんなで 不思議だ 千早の強欲がうつったのかな みんなで日本一に
花野は偵察要員として、明石第一女子の逢坂恵夢をマーク。彼女にはファンのカメラ男子までついており、地味で天然でモテ女なのに毒舌、とメモ。駒野は前年優勝、静岡の富士崎高校を確認。
新は千早に団体戦は見に行かないと言ったが、それは嘘。新は千早と太一の試合を観戦するため、近江神宮を訪れていた。まずは参拝、と歩きかけたところで、背後から肩を叩かれる。若宮だった。
memo
全国大会開幕。見所は英語を話す太一と、幽霊の如く現れる詩暢。