準々決勝。新と坪口、原田先生と村尾、太一は須藤、千早は猪熊との対戦。千早は相手が元クイーンとは知らず、西田に聞かされても「へーそっかー」とあっさりした反応。
太一は北央勢に腕を揉んで貰ったり、飲み物を飲ませてもらっている須藤を見る。
須藤さんとの対戦…… 大丈夫か? 格下の相手と見るや 人をおちょくったような配列にしたり 言葉で攪乱してくるタイプ――… ベスト4に残るチャンスなんだ しっかりしろ しっかりしろよ おれ!
原田先生が白波会四人で円陣を組んで来る。
「団体戦みたいだな 白波会の選手が4名もベスト8に残ってる こんなの初めてだ これこそ4対4の団体戦 もちろん狙うは白波会の4戦4勝だ」
村尾は南雲会同士、新に声を掛ける。翠北会の北野先生は、山本のために猪熊を観察。注目株の高校生、千早は丁度良い試金石、どこまでやれるのか。
須藤が楽しそうに「ちは」札を持ち、太一の神経を突いて来る。太一苛々。
隣の席に千早がいても 自分の試合で手いっぱいだよ
太一は集中しようと努める。
そうだ 今日は部長じゃない 手いっぱいでいい やるんだ
千早は読手の「高低」を聴き、丁寧さとキレをもって連取。皆が驚く。
これは 今日見るのは 猪熊遥の復活じゃなく 世代交代か……!?
猪熊が取った。高低差のつきにくい「あ」の札の聴き分け。
もっといろいろあるわ 響きっていろいろあるの 高い低い 女性的男性的 強い弱い 丸い鋭い 読手が西か東か
猪熊は定位置を動かさず札がバラバラになって行く、独特のかるた。皆の猪熊を見る目が変わって来た。
これって情熱っていうのかしら 欲だと思うの 示したい クイーンだったころより なお強く 全盛期はこれからだって
memo
引き続き、吉野会大会。ベスト8に残った面子の中では、かるた界でのネームバリューが圧倒的に足りない太一。須藤に傅く北央勢。そして、須藤が太一をおちょくる様子があまりにも楽し気でwww 読まれたのは「ほととぎす」「ひさかたの」「やえむぐら」「ありあけの」「つきみれば」「うかりける」「わすれじの」「あまつかぜ」「あきかぜに」「いまはただ」。