黄龍(こうりゅう)は、1992年に「黄龍の自然景観と歴史地区」として世界自然遺産に登録された景勝地。大小3000もの湖沼が棚田状に連なり、岩盤を流れ落ちる水が龍の黄色い鱗のように見えることから名付けられたという。
ロープウェイから300メートル歩いた、展望台からの眺め。真中辺りが最初に目指す五彩池。
道中の景色は然程良くない。前日の九寨溝よりも高い地点を長時間歩くため、朝から一人に一つずつペットボトル大の携帯酸素缶を与えられ、飲み水も必ず持つように口酸っぱく言われていた程だったが、幸いにして高山病の兆候は無し。
遊歩道は殆どが板張りで、道幅も広くて歩き易い。500メートル毎くらいにトイレやベンチがあり、頻繁に掃除されているようで結構綺麗。但し、トイレに紙が備え付けられていない。扉のない「ニーハオ・トイレ」ではなく、ちゃんと付いていた。とは言え、鍵が掛かっていなかったり、扉全開な場面にも何度か遭遇。
トイレに立ち寄った時に一人で歩いていたマダムと遭ったが、彼女の相棒さんの姿は見えない。「こういうのは自分のペースで歩かないと疲れる」のが理由で、他のツアー仲間の元に置いて来たらしい。って、登山かよ!
そして、歩き始めて40分。やっと森林を抜けた。二手に分かれた遊歩道を真っ直ぐ進むと下山道で、一方の五彩池への道は十数段の階段が何セットか。ロープウェイを降りた地点が標高3,473メートル、五彩池が標高3,560メートルと少しだけ高い。全行程のうちで階段部分の350メートルがほぼ唯一の上りで、日頃運動不足の身にはかなりきつく――まさしく登山、だった。
道教の黄龍古寺。