決勝戦。千早は甘糟に連取され、札の取り方を何度も確認。試合中なのに反省? と甘糟に嫌味を言われる。西田はやり難そう。大江は「ボイン重そうなのに」と舐められつつも連取。
さっきの読手さんは―― ある意味すごく存在感があった でも 須藤さんは須藤さんなのに溶けてるみたい 信頼できる
原田先生も須藤の読手を褒める。須藤が持田先生に言って来たのだ。
先生 おれ 読手の講習会行ってみる 周防名人は札や相手の研究より 読手のほうを研究してる気がする
持田は須藤を嬉しそうに見る。
須藤くんの良さは あの気位の高さ 不思議だけど 本当に高いプライドは 人を地道にさせる 目線を上げたまま
宮内先生は熱戦を見て思う。
知れば知るほど不思議だわ 競技かるたって…… 男女の別なく 体格の別なく 年齢の別なく 知性と体力の別なく 読まれた瞬間に千年まえとつながる そんな競技いくつもない
西田が早い段階で、まさかの束負け。太一が見渡すと、大江と駒野は接戦、千早も五枚もリードを許しているという展開。太一は千早に「大丈夫か」と声を掛けようとして止めた。
おれだって接戦―― いま口に出す言葉は「大丈夫か」じゃない 「瑞沢一勝!」だ
千早は名人やクイーンのレベルになりたかったが、今は甘糟にも勝てない。駒野に言われた一字決まりのことを考え、集中する。「ひ」の一音で、皆が驚く速さで一枚取った。原田が勘付く。
千早ちゃん きみは2つの強さを手に入れようとしてるのか
memo
東京都予選決勝戦。甘糟相手に試行錯誤しながら挑む千早。読まれたのは「すみのえの」「かささぎの」「あわじしま」「たかさごの」「いまはただ」「よもすがら」「こいすちょう」「わがそでは」「ひさかたの」。