団体戦表彰式。賞状を太一、トロフィーを西田、優勝旗を千早が受け取る。メダルも掛けて貰い、皆嬉しそう。これまでの過程を思い、千早は涙……だが、指の痛み。千早は宮内先生と病院へ向かった。
太一のところに、新が手土産の酒まんじゅうを持って来る。千早と太一と新が幼馴染と知った花野が賑やかに騒いでいるが、そんな仲間を持つ太一に新が話す。
「チーム…… 太一 おれにとってチームは…… 唯一『太一と千早』やったんや」
太一は「え?」と聞き返す。
「気持ち悪いな なんか いやいいんや それとは関係ないんやけど おれ 大学は東京に行こうと思ってんや 推薦もらえるとこ――…… 明日の個人戦優勝して 東京に行く」
太一の目を見て真っ直ぐに言う新に、太一の心臓が騒ぐ。新が東京に。
新 千早はいつかまた新とチームになりたいって思ってるけど おれはちがうよ
太一は小さな声で、去って行く新の背中に言う。
「敵だよ」
千早は剥離骨折でもなく病名がはっきりしない。宿舎に戻り、うっかり男子部員部屋を開けてしまうが、中にいたのは仮眠中の太一だけ。太一の頭に自分の頭をゴツンとぶつけ、自分も傍で横になる。
ありがとう
翌朝、千早は出場を止められたことを報告。そこに西田姉が「祝優勝」と描いたチームTシャツを持って来てくれる。団体戦優勝校という事実に、千早は奪い立つ。
「私…… 忘れてないよ 目標は 個人戦各階級優勝 団体戦優勝校の選手として全力でやる」
千早は左手で戦うと言う。
memo
全国大会団体戦終了。「東京に行く」という新の台詞や表情はそうでもないのに、太一が受け取った通り、千早に関しての宣戦布告だよなあ。こういうところに新の黒さを感じる。一方、太一の知らぬ間に額を寄せる千早。こつんという可愛らしい音ではなく、頭の音が濁るGOTSUN。額同士で触れるというより、頭突き。だが、太一は起きなかった模様。千早も眠ってしまったようだけれど、その後どうしたんだろ。