決勝トーナメントも駒野抜きで行こうと言う西田。千早と大江は疑問に思い、駒野本人はそれで良いと言うが、西田は今度は逆に怒り出す。
「なんで…… なんで言わねえんだよ? 『自分がスタメンで出る』って なんで? 一緒にずっとがんばってきたじゃんか なんで後輩に譲るんだよ? 1年がはいっておれらにも余裕ができたけど ダメなんだよ ダメなんだよ 自分が前に出なくてもいいって思ったら 気持ちが 矢面に立たなくなった瞬間から 力の現状維持さえ難しくなるんだ」
西田は筑波を推薦し、後は部長が決めてくれと立ち去る。太一は迷う。千早が駒野のメモを取り上げ、考え始める。千早は駒野抜きで行こうと提案する。駒野は試合前に相手の情報を伝えるが、西田はそっぽを向く。
なんだよ なんだよやっぱり 試合出んのはイヤなのかよ 知るかよ 知るかよ
千早が駒野を外そうと言ったのには根拠があった。
私 まえに 原田先生に言われたの 試合まえに ほかの選手の試合 一生懸命見るのはやめなさいって 1試合しっかり見ることは 1試合しっかりやるより体力を使うって これ見たらわかる いま一番疲れてるのは 机くん だから外す
劣勢の西田だったが、対戦しているうちに情報の有難さを実感。大江や筑波も役立てている。千早も駒野がどんな苦労をしたのかと考える。
机くんは 矢面に立ってる 自分がかならず 瑞沢を日本一にしてみせるって あのノートが言ってる
駒野は情報収集が向いていると、花野に言われるが。
「試合ってきついもんね うん きつくて怖くて 肉まんくんに言われて ギクッとした」
瑞沢が勝利し、西田が会場から飛び出して来る。
「……次は出るよな 次は出るよな 一緒に出るよな 机くん!!」
駒野は仲間のところに走り、円陣を組む。
一緒にずっと がんばってきた 選手でいてほしいんだ ずっと一緒に 選手で
memo
全国大会決勝トーナメント。メンバー選びに太一が珍しく決断を下せず、その前に千早がさくっと結論を出す。読まれたのは「うかりける」「なにわがた」「あらしふく」「いにしえの」「こぬひとを」。