第120首 昔の自分じゃなくなった

ちはやふる ちはやふる_高2 漫画
漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録。あらすじの記述あり。ネタばれあり注意。

周防が若宮に、新が負けたことを電話で報せる。

「新鮮なりんごが 甘さで干し柿に負けた感じ…… 気をつけなよ クイーン戦 たぶん 詩暢ちゃんも 新鮮なりんごだよ」

りんご? 干し柿? 若宮はそれらを散らすように、かるたを払う練習。高校選手権で新と戦った時、「一人でやってる若宮さんとの差」と皆に噂されたことが引っかかる。「気を付けなよ、クイーン戦」という周防の忠告も。


千早の目の前はずっと、光がキラキラ。部室で試験勉強中でも、千早は一人呆けている。事情を知らない太一に話そうとする大江を、花野が部室の外に引っ張り出す。

「教えたりしませんよね? 綾瀬先輩が綿谷さんに告白されたこと……」

太一は当事者になり得るという考えから、大江は教えたい派だ。

あれだけ真剣にかるたをしてる人たちにとって 「一緒にかるたしよう」は きっと……

千早はまだ呆けた顔。太一が口を開いた。

「……千早 新さ……」

それを言ったのみで、千早の顔が変わる。太一も何かを勘付いた。千早はずっと挙動不審。

「あれ? そういえば 太一 知ってたんだよね?」
「え なに……」
「あ あ あ あの あ …… あ… あら 新が 大学 こっちに 来るって……」

無言で頷く太一。


廊下の窓から、千早が白い鳩を眺めている。

「きれい なんか 光ってるみたい お腹に赤ちゃんいるのかな? うれしいのかな? うれしくて光ってるのかな――」

大江は一つの歌を思い浮かべる。

あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり

そして、母が自分を妊娠した時の感想を引き合いに出した。

知ってしまったら 細胞が全部入れ換わるような そんな瞬間があるの 病院からの帰り道 光があふれて きれいできれいで 思ったわ 昔の自分じゃなくなったって 新しいことが始まったって

しかし、千早から返って来た言葉は理解不能……

「かなちゃん…… 私も あの決定戦みたいな試合が したいなあ……」

学校帰り、落ちた紅葉を踏みしめながら歩く部員達。花野は太一の背中を見つつ、罪悪感。

私 綾瀬先輩と綿谷さんが うまくいけばいいと思ってる 真島先輩が 失恋したらこっちのもんだと思ってる 「おれは選んでがんばるんだ」 こんなにがんばってる人の 気持ちが 粉々になるのを望んでる

足元の紅葉と同じ。踏みたくないのに踏んでしまう。

真島先輩 どうするの 綿谷さんはもう言っちゃったよ 始まっちゃったよ 終わっちゃうかもしれないよ

千早の携帯電話が鳴った。知らない番号に出てみると、相手は須藤。同じ大学のかるた部と最近分かったという人が、と須藤が言ったところで、電話の相手が変わる。

「周防です この間 言ってたから ぼくと 試合 どうですか」

「試合……周防さんと」と動揺する千早に、反応したのは太一だった。通話口を奪って一言。

「やり ます」

ちはやふる
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memo

部室で皆揃って勉強中だが、一人上の空な千早。ただ、新の告白で思い浮かべているのが、原田先生との試合場面ばかり。あんなに印象的だった袴姿+正座での告白時ではない。

下校中は季節もあってか紅葉だらけ。千早は周防に自分の名前を教えてあった模様。周防と須藤が無駄話するのを想像し難いのだが、まぁよく上手いこと縁が繋がったもんだねえw 登場する歌はかなちゃんが思い浮べた「あいみての」。

posted on December 20, 2015
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