第118首 最後の最後は:ちはやふる第22巻

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漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録。あらすじの記述あり。ネタばれあり注意。
第118首  最後の最後は:ちはやふる第22巻

痛む膝を抑え、立ち上がる原田先生。

膝をかばいもせず 策もなく取り合っとった 夢でも見てたか 飲まれた…… こんな17歳がいるのか

手を広げ、場の空気を呑み込む。再び集中しようと努めるが、次も新に自陣を抜かれる。

『偉大な先人の物真似をする若僧』 ……そう思えるかと思ったのに ちがうな 本物だ どこに動かしても取れる柔軟さ バランスの良さ…… どうやったら勝てる……? どうやったら

太一も汗しつつ考える。

先生 なんで そんなに懸けられる? 「青春全部 懸けたって 強くなれない? 懸けてから言いなさい」 懸けてきたからこそ 怖いんだ なにも残らなかったら? 悔しさしか残らなかったら――

北野先生は回想する。原田は確かに名人戦に挑戦した頃は強かった。医大での研修期間のため、練習不足で負けてしまったが。医者になってすぐ、練習相手のいない沖縄に赴任。木のかるたしかない北海道に赴任。東京で開業医になった頃には37歳で、”感じ”の才能はもう翳りを見せていた。

原田は痛みを堪え、勢いつけて転がりながら札を取る。誰もが才能に溢れ、”感じ”が良いわけではないので、そんな人が強くなるために作ったのが白波会。

室内の観戦席に戻る千早。食い入るように試合に目を向ける千早に、圧される太一。

小学生の私なら

千早は、小学生の自分が無邪気に新を応援している姿を想像する。

中学生の私なら……

いつも話を聞いてくれて、白波会で待ってくれていた原田先生を思い浮かべる。

高校生の私なら

応援に力が入るあまり、太一の肩を鷲掴みする千早。太一も必死の形相で戦況を見守る。真正面を見据える原田。

メガネくん きみにも味方はいるだろう 綿谷先生もいつもきみの側に立つだろう でも 最後の 最後は

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memo

挑戦者決定戦って11月末なんだよね? 12月生まれ設定の新はまだ16歳ですよ、原田先生! まあ、高二=17歳のイメージだし、誤差の範囲内だけど。太一の「懸けてきたからこそ怖いんだ~」で千早のワンカット。小学生なら、中学生なら、と自己分析する千早が「高校生の私なら」のコマで描かれているのは太一。

読まれた札は「あまのはら」「あしびきの」「よをこめて」「こころあてに」「なげけとて」「ちぎりきな」。新が抜かれた一字決まりは「すみのえの」。最後に払われたぼやけた札は「たまのおよ」。

第22巻終了。コスモスの花言葉は「乙女の真心」「調和」「謙虚」。裏表紙で紹介されている歌は、作中にはないが表紙絵のイメージと合いそうな「はなさそう」。巻末四コマ漫画は、かなちゃんの体育祭リレー必勝作戦。

posted on December 18, 2015 -